造形物の対候性について

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造形物の素材によっては、日に当てると柔らかくなり変形することもあります。 

ここではFDM (熱溶解積層法)3DプリンターとUV硬化3Dプリンターで製作した造形物の例を紹介します。
PLAフィラメントの造形物の場合

 
せっかく思い通りに3Dプリンターで造形をしたのに、長時間直射日光にさら
したら造形物が変形したなどという話を聞きます。


  ●特に、表面が薄い造形物などに起こりやすい現象です。
     (表面の壁の厚さが1o未満の造形物に起きやすいです)

PLA素材は外見きれいに造形できますが、熱劣化しやすい弱点があります。 ・・・目案として、素材の温度が50℃を超えないように保管ください。


PETGフィラメントの造形物の場合

【FLAフィラメント Φ1.75mm / ノズル押し出し径 0.2mm】


(1)プラットフォームへの造形物の置き方による精度の変化

   造形物の縦方向(H方向)は特に熱収縮の影響を受けます   造形精度を上げるには、プラットフォームへの置き方を良く考えましょう。
   (A) 造形を立ててプリントした場合
 
  【スライサーソフトの設定】
  ・プラットフォームに造形を定着させるため、大きめのBrim をとっています。
  ・Infill:20% ・印刷時間:28分

      ☆高さ(H)=19.8o  幅(W)=30o 
   (B) 造形を横に寝かせてプリントした場合 


  【スライサーソフトの設定】
  ・プラットフォームに造形を定着させるため、大きめのBrim をとっています。
  ・Infill:20% ・印刷時間:34分

      ☆高さ(H)=20.2o  幅(W)=30o 

  ☆ 溶けた樹脂を積層するため、高さ方向の樹脂の変形により、高さ(H)方向の寸法は設計値より小さくなります。

(2)Infill(内部埋め込み)率よる精度の変化
  
@Infill 50%

 【スライサーソフトの設定】
  ・プラットフォームに造形を定着させるため、大きめのBrim をとっています。
  ・Infill:50% ・印刷時間:36分  ・重量:7g

AInfill 100%

 【スライサーソフトの設定】
  ・プラットフォームに造形を定着させるため、大きめのBrim をとっています。
  ・Infill:100% ・印刷時間:1時間28分分  ・重量:10g

  ☆ Infill率を上げても、造形物の精度に変化は見られません。 印刷時間が長くなります。


   CInfill (壁内の埋込み率の設定)が高いと、造形の反りが大きくなる。

   ●Infillの%を大きくすると、造形物の内部の埋め込み率があがり、造形の印刷時間は
     長くなります。 
   ●また、内部の埋め込み率が高いと素材の熱収縮が大きくなり、造形の反りが起きやすく
     なります。
    
   ※左の例ではある程度造形物の重量が必要なためInfillを50%で印刷しました。
 
    Infill率は、造形物のが必要とする、強度・重量と造形の反りなどの許容限度などを
    考慮してから決めます。
      


【フィラメント交換時のヒント】

@最初にノズルをプレヒートする
A一回フィラメントを手で押し込む。
Bノズルからフィラメントが押し出されることを確認してから、素早くフィラメントを抜く。

【フィラメントの補充のヒント】
@最初にノズルをプレヒート
A3DプリンタのフィラメントINを設定
Bフィラメントがノズルから押し出されたら、補充用のフィラメントを、フィーダーを介して押し込む。
C補充用のフィラメントがノズルから出てきたら、フィラメントINを止める。

UV硬化3Dプリンター造形物の精度

【素材:レジン】